8回目  温泉文化論 ~温泉の歴史と海外の温泉~


温泉を語るには江戸時代までさかのぼらねばならない。
このころ、お伊勢参りに代表される旅が盛んであった。
同じように湯治旅行も庶民の一般的な旅のスタイルであった。
将軍をはじめ各藩のお殿様も温泉を愛し大切に活用した歴史を持ち、
各県に湯殿など史跡が多く残っている。
庶民もレクリエーションを兼ねて愉しんでいた。

興味深い江戸時代後期の温泉番付が、温泉専門誌旅に掲載されていたのでご紹介すると
西の大関有馬温泉(兵庫県)、東の大関草津温泉(群馬県)であり、
大関が最高位であり横綱は別格の位で記載なし。
続いて西関脇城之崎温泉(兵庫県)、小結道後温泉(愛媛県)、
東関脇那須湯本温泉(栃木県)、小結諏訪温泉(長野県)と続く。
中国地区では前頭で、湯原温泉、湯村温泉、湯の山温泉、湯田温泉等が紹介されている。
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温泉番付
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ヨーロッパの温泉
当時は湯治が目的であるが、旅で知り合った人々の交流を楽しみ
名所旧跡を巡ったことを記す温泉紀行が多く残されており興味深い。
一般的な湯治の逗留期間は、「湯七日」「湯十日」といわれ、気の合った仲間と行く場合が多かったようだ。
米や味噌などを持ち込み自炊して同宿の人達と料理を分け合い、酒を飲み賑やかに過ごしたようだ。
湯治は「泥おとし」「骨やすめ」と言われ、仕事は集中してやり休む時は思い切って休む。
このスイッチの切り替えの上手さは、忙しい現代人が見習いたいワーク・ライフ・バランスの極意ではなかろうか。

海外の温泉の活用を見てみると、日本の温泉旅行的(レジャー)要素とはかなり違うようである。
ヨーロッパの中で特にドイツでは温泉を積極的に医療行為として利用している。
温泉も保険適用になり、湯治治療に積極的である。
ドイツのバーデン・バーデンは設備の整った医療湯治を行う温泉保養地として有名である。
ミストサウナのように蒸気浴をして温泉成分を吸入したり、
水着を着て温泉プールにゆっくり入るなどバリエーションに富んでいる。
また、ヨーロッパの温泉は飲用として利用されているのが特徴で、炭酸を含み濃度も濃いようだ。

山崎勇三さんプロフィール