Vol.22_知ってるようで知らない胃薬のおはなし

広島市薬剤師会レポート_vol.22_知ってるようで知らない胃薬のおはなし


若くて健康な胃は胃粘液がたくさん分泌され、しっかりと胃を守っていますが
加齢によって粘液量は減り、胃酸の分泌や蠕動運動も弱ってきます。
今回はCHIC世代のための、知っておきたい胃薬についてのおはなしです。

まずは胃痛の原因を知ろう

 胃は極めてデリケートな臓器で、胃痛といっても感じ方は人それぞれです。一般に、ただれや潰瘍の痛みは胃酸が関係していて、焼けるように痛む、物を食べると痛むといった短時間的な痛みが特徴で、食べ過ぎによる痛みは、胃が膨らみお腹が突っ張ることによって感じます。また、ストレスなどの刺激によって粘液の分泌量が少なくなると、胃酸が粘膜を傷つけ痛みを起こすこともあります。



胃薬との付き合い方

 私たちが薬局・薬店で購入する胃と腸の薬を「胃腸薬」と言いますが、例えばお腹の具合が悪い時、その原因が胃なのか腸なのか、私たちにはその判断がつきにくいことがしばしばあります。そのため、酸性である胃、アルカリ性である腸という全く性質が異なる場所で働く成分を混ぜてあるのが胃腸薬なのです。しかし、「H2ブロッカー」のように胃酸が関係する症状にのみ効く薬などもあり、これらは腸には効きません。ですから、胃腸薬を選ぶ際には胃が悪いのか腸が悪いのかを、自身の体質・体調・食事内容・経験などからあらかじめ判断して薬を使い分けることが大切になってきます。



症状別の胃薬の種類

以下、症状別に胃薬をご紹介します。

H2ブロッカータイプ[ガスター10等]
胃酸の分泌に大きく関わるヒスタミンの代わりにヒスタミン受容体にくっつき、ヒスタミンをブロックします。ストレスや食べ過ぎ・飲み過ぎで胃酸の分泌が過剰になっている人、空腹時に胃痛のある人、胃に不快感のある人などにおすすめです。

制酸薬タイプ[サクロンS等]
過剰に出ている胃酸を中和し、治りを良くします。昔から広く処方されていて、比較的安全性が高い胃薬になります。胃酸分泌が過剰になっている胃痛や胸焼け、飲み過ぎなどにおすすめです。

胃粘膜保護タイプ[スクラート胃腸薬等]
胃酸によって荒れた胃の粘膜に付着し、胃酸に対する防御機能を高め、痛みを抑えます。傷ついた患部の修復を助ける作用も。胃酸の過剰分泌によって胃粘膜が傷ついて起こる胃痛、特に空腹時に胃痛を感じる人におすすめです。

抗コリン薬タイプ[ストパン等]
胃の副交感神経の働きを抑制することによって過剰な収縮を緩和させ、痛みをとります。ストレスや疲れ、緊張、不規則な生活など自律神経のバランスの乱れによる胃痛を感じる方におすすめです。

消化酵素タイプ[ハイウルソ顆粒等]
胃腸で分泌される酵素と同じような作用を持ち、消化を助ける働きがあります。食べ過ぎによる胃もたれにおすすめです。

総合胃腸薬タイプ[キャベジンコーワα等]
上記の薬の成分が、飲み合わせの問題なく症状を考慮しバランスよく配合されています。どの薬が自分の症状に合っているかわからない時などにおすすめです。



迷ったらまずは相談を

 このように、一口に胃薬といっても、そのタイプは様々です。また、これらの胃薬の中には薬剤師との対面販売でのみ購入できる第1類医薬品もありますが、どのような症状の場合でも、胃痛の部位や痛みの強さ・長さ、食前なのか食後なのか、随伴症状などをまずは気軽に薬剤師に相談してみるといいでしょう。なお、胃痛を感じていても実は痛みの原因は胸にあったというようなこともあります。症状に合った薬を用法・用量を守った上で飲んでも改善しない場合は、速やかに医師の診断を受けるようにしましょう。



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