Vol.30_目に見えない薬局の仕事

広島市薬剤師会レポート_vol.30_目に見えない薬局の仕事


病院を受診し、医師から処方箋をもらい、薬局に持って行く…
でも、すぐに薬を出してもらえるわけではありませんよね。
薬剤師はその間、何をしているのか…今回はそんな薬局のお話しです。

処方箋を受け取った薬剤師は、こんなことをしています

  処方された薬が安心・安全・有効であること確認するために、薬剤師は以下のような作業を行っています。
処方点検/医師のカルテと同様に薬のカルテを確認して、処方されている薬による副作用歴がないか、他の薬との飲み合わせが悪くないかなど、その患者さんが飲んでも良い薬かどうかをチェックします。例えば、緑内障の方に緑内障の方が服用できない薬が処方されていないか?ある薬で薬疹が出た過去がある方に、同じ薬やそれに似た系統の薬で薬疹が出る可能性がある薬が処方されていないか?など、様々な薬による副作用の可能性を検討します。そして、必要に応じて医師へ確認(疑義照会)を行います。ここで薬剤師によるダブルチェックの役割も果たしています。
計量・分包・調合/薬局内には1000種類以上もの薬があります。処方箋にそってその中から正確に薬を選び、粉薬や液剤の場合は計量し、分包を行います。
再チェック/別の薬剤師が薬の内容を確認。再度、副作用歴などもチェックします。
 以上の作業を経て、患者さんへ薬をお渡しします。薬をお渡しする際、患者さんと一緒に症状や薬の内容を確認します。薬剤師はできるだけスムーズに患者さんへ薬を渡せるよう業務に励んでいますが、待ち時間は「安心」「安全」「有効」な薬のお届けに最低限必要な時間なのです。
 なお、処方された薬の名前や量、回数などを記録するのがお薬手帳です。記録があると薬の重複や飲み合わせがより正確にチェックできるため、薬局へ持参するようにしましょう。お薬手帳を複数お持ちの場合は、1冊にまとめることもできます。


薬局で薬剤師が症状をお伺いする理由

 薬局に行くと、「今日はどうなさいましたか?」と聞かれると思います。実は、処方箋には薬の情報は記載されていますが、病気の状態や体調の変化などの詳細は書かれていません。ですから、処方箋の内容が患者さんの状態に合っているかを確認するために、病気や症状、アレルギーの有無、副作用歴などをお尋ねしています。
 こうしてヒアリングした患者さんの個々の情報を、薬の正しい使い方に関する説明「服薬指導」に生かし、生活習慣や体の状態に合わせたアドバイスを行っているのです。
 ちなみに、服薬指導は一般用医薬品でも行われ、特に医療用医薬品からスイッチされた第1類医薬品に分類される医薬品に関しては、薬剤師の説明が義務付けられています。
 また、薬局で連絡先を聞かれる場合もあるかもしれませんが、これは万が一「イエローレター(※)」が届いた際に、患者さんへ連絡するために行うものです。


処方箋は4日間以内に。保険証の提示もお忘れなく

 気に留めたことがない方もいるかもしれませんが、処方箋には医師が処方箋を発行した日付が記載されています。処方箋の有効期限は、処方された日を含めて4日間(土日祝日含む)で、有効期限を過ぎるとその処方箋を薬局に出しても薬を受け取ることができません。医療機関を受診後は、早めに薬局に行くことを心がけてください。
 また「保険調剤」は健康保険法その他の医療保険各法に規定されており、保険者と保険薬局との間で交わされた公法上の契約に基づく“契約調剤”を行うことで一部負担金以外は医療保険でまかなわれます。そのため保険証の提示を求められることもあるので、忘れず持参するようにしましょう。

 薬剤師が薬局でどのような仕事をしているか、少しはお伝えできたでしょうか。すべての作業は、患者さんに安心・安全で有効な薬をお渡しするためです。これからも気軽に地域の薬局を活用してください。


(※)医薬品・医療機器を使用したときに重篤な副作用が起き、重要性・緊急度の高い改訂があった際に配布されるもので、配布判断は厚生労働省が行います。過去にはインフルエンザ薬『タミフル』に関する服用後の異常行動の例などがあります。

薬剤師会_DATA_201910