Vol.24_眠れていますか? 不眠症のはなし。

広島市薬剤師会レポート_vol.24_不眠症のはなし。


ストレスフルな現代社会において、日本人成人の3人に1人が
何らかの不眠の症状を感じていると言われています。
今回は、快眠のための生活習慣や睡眠薬のお話しです。

なぜ眠れないのか

 不眠は、「眠れない」という苦痛だけでなく、日中の眠気やだるさ、集中困難など、心身に様々な悪影響を及ぼすうえに、近年では睡眠障害によって認知症リスクが高まるという研究報告もあります。では、なぜ眠れなくなるのでしょう。不眠の原因は、咳やアレルギーなどの「身体的要因」、不規則勤務などの「生理学的要因」、ストレスなどの「心理学的要因」、うつ病などの「精神医学的要因」、薬やアルコールなどの「薬理学的要因」に分けることができます。一方で、個人差はあるにせよ、ほぼ全ての人は加齢によって生理機能が徐々に低下するため、若い頃のような睡眠時間を必要としません。つまり眠れる時間が少なくなるのです。不眠の症状を訴える高齢者の中には、眠れないかもしれないという不安から早すぎる時間に就寝してしまい、真夜中に目が覚めてしまうというケースも少なくありません。そういった場合には、就寝時間を少し遅くした方がよいかもしれません。また中高年では、睡眠時無呼吸症候群などが原因で不眠になる場合も多く、こちらは注意が必要です。


不眠症を改善するには

 不眠のタイプは、なかなか寝付けない「入眠障害」、睡眠中に目が覚める「中途覚醒」、朝早く目が覚める「早朝覚醒」、熟睡感が得られない「熟眠障害」に分類されます。まずは自分がどのタイプに当てはまるのかを知ることから始めましょう。次に「睡眠衛生」を見直してみましょう。「睡眠衛生」とは、生体リズムのズレを修正するために朝日を浴びること、就寝前にはパソコンや携帯電話を見ないようにすること、同じく就寝前にはカフェインの摂取や喫煙を避け、寝酒もしないこと、規則正しい食事を3食摂ること、毎日同じ時間に就寝・起床することなどが挙げられます。しかし、こうしたことを改善しても不眠が続く場合は、早めに医療機関を受診してください。


睡眠薬の種類について

 医療機関では、不眠の症状がある場合、状況に応じて睡眠薬が処方されます。そして睡眠薬は、脳の活動を抑えて眠りに導く「GABA受容体作動薬」、メラトニン(睡眠ホルモン)に作用して眠りに導く「メラトニン受容体作動薬」、覚醒を維持するオレキシンの働きを抑えて眠りに導く「オレキシン受容体拮抗薬」と、大きく3種類に分けられます。この睡眠薬ですが、不眠症で苦しんでいる人には非常に役立つ薬ですが、耐性や依存性があるものもあり、正しい知識を持って適切に使用しなければ返って症状が悪化しかねません。実際、自己判断で薬を増やした結果依存症になったり、急にやめてしまって離脱症状や反兆性不眠という副作用が生じたりすることもあります。ですから、惰性で使用したり、自己判断で量を増やしたり、アルコールと併用するなどの服用は厳禁です。また、飲むと15分ほどで眠くなるため、必ず就寝直前に服用しましょう。さらに、処方される睡眠薬は不眠のタイプによって人それぞれで異なるうえ、中には他の薬との飲み合わせが悪いものもあります。例え家族間であっても睡眠薬を他人に譲渡することは絶対にやめましょう。


おわりに

 とは言え、現在では依存性のない睡眠薬も登場し、長期間服用しても頭がぼやけることもないなど、その安全性は非常に高まりました。眠れない悩みは本当に辛いものです。「どうして眠れないの?」という悩みがますます不眠に拍車をかけてしまう前に、不眠について気になることがあれば、まずは医師・薬剤師に気軽に相談してみましょう。



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