疲労やストレスが原因か。気をつけたいシニア世代の難聴

writer:今井 崇勝

音や話し声が聞こえにくい状態が難聴です。50代を過ぎると「音が聞こえにくくなる」
「言葉が言葉として捉えにくくなる」など聴力の低下を気にする人が増えてきます。


ストレスが原因となって難聴が起こるケースは少なくありません

 難聴とは小さな音が聞き取りにくくなることだと思われがちですが、聞こえの状態には高音のみ、低音のみ、片耳が聞こえにくいなどいくつかのパターンがあります。「突発性難聴、低音部型難聴、メニエール病」などは、どの疾患も片耳のみ聞こえが悪くなります。難聴全体から見ると加齢や聴神経腫瘍による難聴もあり、この3疾患のみでは無いので、加齢や病的難聴がある中で難聴の種類や程度は人それぞれ。耳の構造は複雑で機能も繊細なため、いずれも詳しい発生機序は分かっていませんが、その背景に寝不足、疲れ、ストレスがあることが明らかになってきました。体調不良や過労を含めたストレスは多くの病気の一因となりますし、直接の原因とはならなくとも、発症をしやすくすることはあります。難聴、耳鳴りを伴う病気の改善には、適切な治療を受ける一方、普段からリラックスするようにしてストレスを軽減するなど、生活習慣の改善も重要です。


2週間以内に治療が望ましい「突発性難聴」

 ある日突然難聴が起こり、時にめまいを伴う「突発性難聴」。症状としては、まさに突然の難聴の自覚があり、耳鳴りやめまいも伴う事があります。軽度な場合には外来でステロイド、血流改善剤、ビタミン剤で治療を行いますが、高度な場合には入院での治療や高気圧治療や神経ブロックなどを行います。原因は不明ですが、ストレス、疲労が原因と言われています。ですが、はっきりとはわかっていません。発症より2週間を過ぎると治療率がガクッと下がります。突然の難聴の自覚が強い場合には早期の受診をお勧めします。


低音だけが聞き取りにくいという特徴の「低音障害型感音性難聴」

 突発性難聴のように急に起こる難聴の一つです。突発性難聴より症状は軽く、耳がつまったような軽い症状が主です。検査すると低音の聴力が低下しています。原因はストレスが背景にあるとされていますが、はっきりとわかっていません。治療法は血流改善剤やビタミン剤の服用。繰り返す可能性があるので、何度も再発すると聞こえが回復しにくくなることも。またメニエール病に移行することもあります。


初期症状は”めまい”がする「メニエール病」

 めまいの症状に難聴や耳鳴り、耳がつまった感じなど耳の症状があり、症状の増悪を繰り返す病気です。原因はストレスが背景にあるとされていますが、はっきりとわかっていません。治療は抗めまい剤や利尿剤、血流改善剤、ビタミン剤などを使用し治療を行います。難聴というよりもどちらかというとめまいの病気です。基本的には、片耳に起こりますが、両耳に起こる場合もあります。

 いずれの疾患も適切な処置を行っても聴力が回復しにくい事もあり、日常生活に支障が出る恐れがあります。聞こえにくいと感じたときはもちろん、耳鳴りやめまいをともなう違和感があるときは、早めに耳鼻咽喉科を受診し、治療以外にも生活スタイルの見直しなどのアドバイスを受けることをおすすめします。





今井崇勝院長
今井耳鼻咽喉科
今井 崇勝 院長

《profile》
帝京大学医学部卒業後、広島で研修を積み、広島以外に関東や沖縄県で経験を積む。日本耳鼻咽喉科学会専門医/日本気管食道科学会専門医/日本耳鼻咽喉科学会・日本気管食道科学会・日本アレルギー学会所属

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