50代からはじめる投資

50代からはじめる投資


子どもの教育費がかからなくなってくる50代は家計の収支が
大きく変化する時期です。とはいえ「支出が少なくなって家計がラクになった」
という考えは要注意!リタイア後、公的年金などの収入から
税金等の支出を引いた毎月の可処分所得より、消費による支出の方が上、つまり毎月赤字になるという
総務省のデータがあるのです。リタイアまでのこの時期は、まさに老後資金づくりのラストスパート!
今回は、各地で事業投資セミナーの講師として活躍中の右田和也さんに、
いまからでも遅くない、50代からはじめる投資についてお話しを伺いました。



Q.いまのままの生活を続けていてはダメなの?

 「老後2000万円問題」は、みなさんも一度は耳にしたことがあると思います。今回それはさておき、平均寿命が伸び続け、〝人生100年時代〟が現実味を帯びているいまの時代においてはやはり「いまのままではダメ」とは言いませんが、時代の変化に合わせていく必要はあると思います。例えば1年と少し前までは、誰も新型コロナウイルスが世界中にここまでの影響を与えるとは思っていないわけです。また、これまでAIやロボットは独立した産業でしたが、いまは多くの産業がAIやロボットと融合しています。だいたい10年という期間で時代は大きく変わってきましたが、これからは自分たちが考えていた産業のスピードも根底から変わってくるのかもしれません。
 こうした時代の変化に対応するためにも、私は十数年前から金や銀、通貨も日本円以外にドルも持っておきましょうということを提言してきました。現在は仮想通貨(暗号資産)も広く知られていますが、このように様々な資産を持つことがリスクヘッジにつながるということを勉強していかないといけない。ご自身が〝快適な〟生活を送るためには、この〝勉強〟が必要だと思います。




Q.投資っていまからでも始められるの?

 例えば「つみたてNISA」は、若い世代が20年間の非課税期間を使って老後資金を作るのに適してはいますが、年齢に関係なく始められるため、50代からでも老後資金づくりに活用はできます。また、「iDeCo(イデコ)」も始めることはできますが、60歳までしか毎月の投資ができないため、開始年齢によって運用できる期間に大きな差が出てきます。このように制度によって違いがあるため、私のような立場の人間はよく「何がいいですか?」という相談を受けます。でも、いま50歳の方が60歳までに老後資金を増やしたいのか、いま65歳の方が70歳までに増やしたいのか、それは1人1人のライフプランによって変わってきますよね。大切なのは、〝あなたがどのようなライフプランを考えていて、どこを着地点にしているか〟ということです。
 よくある例が、退職金を運用しようとして失敗するケースです。せっかくコツコツ働いてもらった退職金を多くの方が増やそうとします。でも、コツコツ働いていた間は、投資の勉強もそんなにできていないと思うんです。それなのに資産運用セミナーなどに参加して「よし!増やせる」という気になりスタートし、いざ損失が出るとそれを埋めるためによりリスクの高い商品に手を出してしまいがちです。どうにかして早く損失分を回収したいという心理が働くんですね。これもやはり、常にリスクがあるのが投資ということを〝勉強〟してこなかったからだと考えられます。そもそも、案内されるがままの商品に入る方というのはとても多いのですが、手数料が高い商品=あなたにとって良い商品であるとは限りません。
 ですから、問いに対する答えとしては、50代のいまからでも投資は始めることができます。ただし、投資にはリスクがあるので、お手持ちの資産が減少する可能性もあり、しっかり学んでおかないとその可能性は高くなると言えます。




Q.50代からの投資で気をつけておかないといけないことは?

 まずは勉強することです。その方法としては常にアンテナを張り、本を読んだりセミナーに参加したりすることがあげられます。本当は、海外に良い金融商品があるのなら直接現地に出向き、その会社から資料をもらうのがベストです。そういう商品というのはネットには出てこないことが多いため、私は実際に現地へ行くのですが、ほとんどの方は難しいと思います。ただ、現地へ行けないからといってネット上の情報を鵜呑みにしないでください。「投資をするならこれが良い」というようなウェブサイトが近年増えていて、中には違う商品へ誘導するものもあります。この誘導の仕方というのが巧妙なものもあるため、ネット上のみでの情報収集は特に気をつけましょう。
 また、友人や知人に相談するのはOKですが、実際に〝やっている人〟に相談しましょう。やっていない人からは大事な情報は得られにくいものです。株にしろ「ビットコイン」にしろ、「これが良いらしいよ」と聞くとみんな慌てて飛びつくんですが、飛びついたときが一番高値だったというのはよくあるパターンなのです。
 例えば「テスラ株」ですが、3年ほど前にテスラ車の事故により株価が急落したことがありました。同じ頃、仕事やプライベートでハワイや香港、シンガポールを訪れていた私は、そこで立派なテスラのショールームを見て、富裕層と呼ばれる人々の多くがテスラ車に乗っているのを目の当たりにし、「これは上がるかもしれない」と感じ、株を購入。結果13倍にまで跳ね上がりました。みなさんに養ってほしいのは、こうした〝半歩先を見る目〟です。誰も遠い未来のことはわかりませんから、この〝目〟を大切にしてほしいと思います。私自身も、みなさんに〝半歩先〟をお伝えしたくて活動しているんです。



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Q.最後に心構えを教えてください

 国が向かう方向や国の財政を意識しましょう。日本は世界でも有数の借金国家です。過去には預金封鎖も経験した国です。実際、私のお客様で過去に自身が口座に入れておいたお金をほとんど奪われた方もいらっしゃいます。そうしたことが今後も起こるとは言いませんが、物事に絶対はありません。通貨分散・資産分散によって守ることが大事です。投資は〝守りながら増やす〟んです。多くの方が、攻めるばかりで失敗してきています。ちなみに私の場合、仮想通貨以外にも毎月日本円を米ドルに両替し、銀行もその口座も生活用・預金用・投資用などにそれぞれ分けています。
 また、どういう人生設計にするのかを考えましょう。孫に、いつ、いくら贈与したいのか。子どもがマイホームを建てるのはいつなのか。家族旅行はいつ、どこに行くのか。すると、いつまでにいくら増やさないといけないのかがわかってきます。同時に、使わないといけない時期もわかってきます。それをしないまま資産だけを増やしたいという方が多すぎます。具体的なライフプランは、大切な心構えのひとつです。
 一方で、ライフプランがしっかりと立ち、投資についての勉強さえできていれば、50代からでも資産は増やせます。確実に利回りが増える海外の商品や、5Gや6G関連といった次世代の商品、SDGs関連の商品など、肌感覚で「これが来るのでは」とわかるようになるはずです。老後資金づくりのラストスパートを、ぜひ楽しんでください。



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投資家_右田和也さん






「老後の備え」アンケート

広島の働く女性たちの老後資金に関する意識調査。
今回は主に40代以降の「はたじょメンバー」を対象に伺いました!


Q1


Q2


Q3


Q4


Q5


老後資金準備のネタ、あれやこれや

老後資金の準備が必要だと思ったきっかけ、
成功例や失敗例、老後資金準備の具体例など
いろいろ教えてもらいました!



・個人事業主は国民年金が少なく生きていける金額ではない。日本の経営、投資についての教育が全くなく日本人は選択肢が少な過ぎます。子供の頃から自立する力を付けるべき。(よしりん)

・40歳の時に、良い保険の方に全てのプランニングをして頂き、自分が病気の時の資金など含めアドバイスを頂きました。老後が長い=お金が必要、そして元気である事などを考えさせられました。(Masumi)

・パートで生計をたてています。貯金もない状態で不安しかありません。今の状況では投資とかわからないし、出来そうもありません。私の様な状況でも取り組める物があれば知りたいです。(姐さん)

・無料マネーセミナーを受講したのをきっかけに、個別相談に行ったり講座に参加したりして、老後の準備(積立)をスタート&学ぶように。(えび)

・友達が、個人年金を掛けているのを聞いて、私も掛けなきゃと思ったのがきっかけ!30年以上掛けているが、今となっては高金利の時代だったので、お宝保険となりました。(りんこ)

・老後資金を考えるきっかけは、マネーセミナーへの参加でした。将来の年金受給見込み額を試算すると、とても生活できる金額ではなかった為、それからiDeCo、つみたてNISAなど資産運用を始めました。自分のできることはしているつもりだけど、他の人がどういう風に老後に備えているか気になっています。(イチハ)

・十数年前、友人から投資の話しを聞き、リスクもあるが自助努力も必要と言われ、少額ながら投資信託を始めました。一喜一憂せず、のんびり構えることが大事、と、その時言われ今少しプラスになっています。(たまこ)

・国債をしています。iDeCoや投資などしてみたいですが元本が保証されていない不安とやり方がわからないので。上手く投資などをしている方の話を聞くと投資をしてないことが損だと思います。不安が解消されるアドバイザーと出会い投資などを始めてみたい。(あた)








投資商品の種類と特徴



《投資信託》

低コストでの投資も可能
投資信託は、ファンドマネージャーとよばれるプロの専門家が投資家に代わって運用します。多くの投資家から集めたお金をもとに運用するため資産規模も大きくなり、さまざまな対象に分散して投資をすることができます。銘柄数が多いのも特徴で、ハイリスク・ハイリターンの商品もあれば、ローリスク・ローリターンの商品もあります。毎月一定額での購入など、積立型の投資も可能です。



《株式投資》

投資商品の代表格
初心者の方にも経験者の方にもオススメの投資で、銘柄選択や投資タイミングがうまくいけば、大きな収益が期待できます。反面、値下がりリスクや元本割れリスクもあります。また、値上がり益だけでなく、配当や株主優待狙いの投資もできるため、短期投資にも長期投資にも向いています。対象となる銘柄数も多いのが魅力で、身近な企業や応援したい企業にも投資ができます。



《外貨預金》

円ではお金を増やしづらい今、注目です
円ではなく米ドルやユーロなどの外貨で行う預金です。通常の円預金と同じ仕組みで、預けたお金に対して利息が付与されます。例えば、預け入れ時よりも払い出し時に「円安」になれば利益を得ることができますが、「円高」になった場合は預入れたお金よりも下回り、損失が発生します。仕組みもそれほど難しくないため、「円預金でお金を貯金しても、あまり利息がつかないから…」という方にオススメです。



《債券(国債)》

国が保証しているから信用度も高め
国債は国が発行する債券で、発行時に決められた利息をもらえるとともに、満期まで持てば元本が戻ってきます。ただ、高い収益は期待できません。



《暗号資産(仮想通貨)》

ネットワーク上でできる電子的な決済
ビットコインやイーサリウムなど、インターネット上でやりとりされる通貨のことで、交換所や取引所と呼ばれる事業者(暗号資産交換業者)から入手・換金することができます。ちなみに、2020年5月より「仮想通貨」という呼称から「暗号資産」に切り替えられています。暗号資産は、短期間で価値が何倍にもなる可能性がある一方で、需要の増減や市場の変動によって価格が大きく下落するリスクもあります。



《不動産投資》

人気物件となれば大きな利益に
土地やマンションなどを購入して、貸し付けをすることで家賃収入を得て利益を生む投資です。貸すだけではなく、土地や建物の物件価値が安いときに購入し、価値が高騰してから売却するという方法もあります。地価が何倍にも膨れ上がり大きな利益を生む可能性がある一方、不動産購入資金が大きくなりがちなため、初心者には向いていません。



《金》

コロナ禍でもその存在感を見せつけた
世界共通の価値で扱われている投資資産です。金は世界情勢の変化に強いことが特長で、そのため「有事の金」とも呼ばれます。埋蔵量に限りがあるため、金を買う人が増えて価値が上がる場合はあっても、これまで無価値になったことがないのも強みです。



《REIT(不動産投資信託)》

低コストでの投資も可能
投資家から資金を調達してオフィスやマンションを購入し、購入した不動産を貸し出すことで、収益を投資家に分配します。いわば、不動産版の投資信託で、不動産投資の知識があまりない方でも始められます。






《 編集部より 》
読者のみなさんもその多くが老後資金への不安をお持ちの様子。ですが、聞きかじりの知識で焦って資産を増やそうとするのは要注意です。まずはじっくり勉強し、あるいはプロの意見に耳を傾け、着実性を持つのが吉のようです。まだまだ長い人生、ゆっくりと資産を増やしていく…「CHIC」からの提案です。