50代からの夫婦の在り方

50代からの夫婦の在り方


ー 夫婦生活は長い会話である。ー

かの哲学者・ニーチェは言いました。
その長い会話の中では、子育てのこと、お互いの親のこと、転職や転勤のこと、
住宅購入のこと、老後のこと、日常の些細なこと…本当に様々な事柄が話し合われました。
恋愛ホルモンと呼ばれるドーパミンは3年で分泌されなくなると言われます。
ならばその先も共に過ごす「夫婦」という他人同士を結びつけるものはなんなのでしょう。
今回は、CHIC世代におけるそんな夫婦という存在について考えてみました。


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※アンケート対象/50歳以上のはたじょメンバー・調査期間/2019年11月11日〜18日
※はたじょとは、働く女性ならではのリアルで感度の高い声を活かして、アンケートや体験レポート、モニタリングなどに積極的に参加してくれる女性が集うトマトコーポレーション読者限定のメンバー組織です。




50代夫婦の多くが、こんな悩みを抱えています。


20年〜30年も連れ添えば、意見の衝突や価値観の不一致が見えてくるのは当たり前。
では実際、そうした夫婦の悩みは何で、どのようにして解決しているのでしょう。
今回は、〝夫婦についてのスペシャリスト〟行政書士で夫婦問題カウンセラーでもある
なかもり法務相談事務所の中森豊さんにお話を伺いました。



【 お悩み CASE,1 】
子どもたちも独立し夫婦2人の生活に。
ほとんど会話もなくただの同居人。私たちは大丈夫?

子どもがいることでなんとなく成り立っていた夫婦の関係が、独立したことで改めて向き合わなければいけなくなります。しかし、これまで通り「夫(妻)は~をやって当たり前」の感覚で相手に要求ばかりだと、煩わしさから会話もしなくなり気がつけば「仮面夫婦」に…。そんな熟年夫婦がカウンセリングに来られた際、2点のことをアドバイスしています。1つ目は『パートナーと1日交わす言葉は「あいさつ」だけでOK!』、2つ目は「自立しましょう!」です。いきなり多くを伝えようとせず「おはよう」「いただきます」「いってらっしゃい」「おかえり」「ありがとう」etcを伝えるだけ。挨拶はコミュニケーションの基本。これだけでも二人の関係は良くなります。また「自立」とは経済的・精神的自立のこと。特に女性は母親としての役割から解放される反面、新たな居場所を見つけなくてはなりません。「お金を稼ぐ」ことは自信につながります。男性はズバリ「料理を作る!」。妻が不在でも自分の食べるものくらいはササッと作れるくらいのスキルを身に付けましょう。




【 お悩み CASE,2 】
夫の定年退職が恐怖です。毎日ひたすら家でゴロゴロ、
テレビを見る生活になりそうで怖い!

私が知っている70代のご夫婦、とても素敵な関係性を築いていらっしゃいます。ご主人は元新聞社勤務で現役時代は相当激務だったとのこと。しかし退職後は、公民館で行われている料理教室に通いグングン料理の腕を上げ、今では地域のイベント毎にパンプキンケーキをみんなに振る舞ってくれます。みんなが喜んでくれると「もっと美味しいものを!」とやる気が出て、それがやりがいやストレス解消にもなっているとのこと。また奥様は子育てがひと段落後、勉強されて今は平和公園のボランティアガイドとして活躍されています。このお二人の素敵なところは「ちょうどよい距離間」を保っていること、そしてお互いが過度に依存せず、それぞれ家の外にも居場所があることです。お住まいの地域に目を向けるとまだまだ活躍できる・必要とされている場所があります。またあなたが生き生きとしていると、必ずパートナーにも良い変化が生じます。




【 お悩み CASE,3 】
自分の親は大切にするけれど、
私の親に対しては無関心。これってどうなの?

自分の親を過度に大切にする夫または妻、そのことをこちらが注意すると急に不機嫌になったりムキになって怒ったりして手が付けられない、こんな場面がなかったでしょうか?そのくせ私の親には全くの無関心…。「親子関係は夫婦関係に影響を及ぼす」と言われることがあります。パートナーが幼かった頃、兄弟姉妹と比べられたり、親が厳しすぎたりするなど親の愛情不足の中で育つと、大人になっても親の愛情を求めるあまり、気に入られようと異常なほどお世話したり、何よりも親優先で動いたりします。また、一昔前は「冬彦さん」などマザコンの夫を持つ妻の悩みが多かったですが、最近では「実母とその娘(妻)」が密着しすぎて、夫やその親族が排除されているお悩みが増えています。何年も夫婦として一緒に暮らしていても、どのような環境の中でパートナーが育ってきたのかは意外と知らないものです。相手の成育歴を知ることで、今後どのように対応したらよいか分かることがあります。



なかもり法務相談事務所代表_中森豊さん






インタビュー


北村さんご夫婦


仕事でもプライベートでも、
共通の夢に向かって
歩んでいけるのが夫婦

 広瀬北町などでイタリア料理店「ラ・セッテ」を営む北村さんご夫妻。仕事中も一緒、仕事終わりに帰るのも一緒という二人ですが、休日も朝は仕事の買い出しなどに出かけ、午後はショッピングやドライブを楽しむなど、24時間365日同じ空間で過ごします。厨房とホールでの目線の違いから意見がぶつかることもありますが、そこは英紀さんがいつも折れるそう。曰く「夫婦でケンカをしても何の得もない」から。たとえ険悪な雰囲気になっても、美味しいものを食べて美味しいお酒を飲む、この共通の趣味が全てをキレイに洗い流してくれるのです。また、英紀さんは洋子さんに「司会業だけで食べていけたのに、この世界に入り体力的にしんどくても頑張ってくれている」、洋子さんも「イタリアンと言えばラ・セッテの名を挙げていただいたり、独立したスタッフからも未だに慕ってもらえるのは人柄ですね」とお互いに尊敬の気持ちも忘れません。お店を続けてこれたのは我が子のようなスタッフ達のおかげ。だから(元々その気もないですが)彼らのためにもお店も夫婦もやめるわけにはいかないと話します。夢は、日本全国・世界各国の美味しいものを夫婦二人で食べて回ること。この共通の夢に向かって歩んで行けるのが夫婦かな、と二人で微笑んでくれました。




《 夫婦の履歴書 》

広島テレビのインフォマーシャルでレポーターをしていた洋子さん。そこへシェフとして英紀さんが出演したのが出会い。そんな中、英紀さんがイタリア修行へ旅立つ3週間ほど前にメンバーで壮行会をやろうと参加するも、実は2人をくっつけたかった周囲のサプライズだと気づく。結果、結婚を前提に交際することになるのだが、実質の交際期間はわずか3週間、お互いの家族構成すらよく知らないままのゴールインとなった。ただ、洋子さんは「仕事ぶりはいつも見ていたので、彼の仕事に対する姿勢は尊敬していた」と当時を振り返る。



木下さんご夫婦


仕事も、買い物も、
いつも一緒。それは
苦ではなくて、自然なこと。

 廿日市駅前にある「フット&シューズ キノシタ」は、地元では老舗のお店。靴の販売とリペア・インソールを担当するのは肇さん。18年前に併設した爪の悩みを解消する足専門店は、るみさんのお仕事。仕事柄、ご夫婦で旅行に行く機会もないため、普段から買い物や食事、プライベートな時間さえも行動を共にします。一般的に結婚すると、スキンシップや会話が減るなど、夫婦の仲が希薄になりがち。そのせいか周囲からも「仕事でも一緒、出掛けるのも一緒、よく一緒にいられるね」と不思議がられることも。そんなご夫婦の絆を深めたのは、肇さんの親の介護でした。認知症を患い、家事、介護を分担して、16年間に渡り自宅介護を行う日々。「認知症があった義母は、嫁である私にあることないこと言いました。でも夫の方が実の母の老いを間近でみるわけですから、辛かったと思います」と思いを募らせるるみさん。紆余曲折がありながらも互いに協力して乗り越えた介護生活が、同志のような関係性をもたらしたようです。ご夫妻の性格はというと、几帳面な肇さんとは対照的に、おおらかなるみさん。「足りないところをお互いが埋め合っている感じでちょうどいい」と微笑む二人。これからも変わることなく、商売を続け、穏やかな時間を共有するご夫婦です。




《 夫婦の履歴書 》

大学生のとき、当時ブームだった合同ハイキングで知り合った木下さんご夫婦。学生時代から付き合いはじめ、肇さんが結婚直前に靴専門店「フット&シューズ キノシタ」を廿日市に開業。証券会社で働いていたるみさんは、彼が営むことだからと意を介さず、結婚。子どもを授かり、夫婦でお店を営むことになり四六時中、一緒に過ごす生活スタイルへ。




50歳の性の壁。


最近の熟年夫婦はセックスレスだと言われています。
子育てを終えた一方で、体の機能が衰え始め、夫婦関係が変化してきます。
でも性は男女の根本的な欲求のはず。熟年夫婦は性にどう向き合うべきか、
tomato公式ウェブサイトで連載中の「恋と愛のエトセトラ」でお馴染みの
マルチクリエーター“エト子”こと江藤充紀さんにお聞きしました。



緊張感よりも抜け感。ユーモアや
シャレで性の壁を溶かして。

 人としての分別や品格が備わってきたこの世代。身に付いた教養や社会通念、恥じらいや奥ゆかしさが若い頃とは逆に夫婦を性から遠ざけているのかもしれませんね。長年苦楽を共にした同志。いつしか生真面目で硬い日常になっていないでしょうか?硬さは緊張感を作り出す。これでは性を求める側も、求めない側もギクシャクしちゃいますわね。
 まだまだ人生を共にするのですから、この辺でご夫婦の空気感をリセットしましょう。これからは“抜け感”。お互いにユーモアを持ちましょう。上品なおかしみやシャレを演出すれば心に余裕ができ性の壁は簡単に溶けてしまいます。まずは肩でも揉んで、互いを労う習慣を取り入れてはと思います。




50歳の夫婦の秘め事は
ホスピタリティ&オリジナリティ。

 さて、人の生活は“性活”でもあります。お金と同じく足りなければ不満の種となり、つまらぬ歪みとなります。お金と同様、性活もやりくりが大切。できる範囲で性活したいものですが、そう言えばSEXは挿入することのみだとお考えではないでしょうか?挿入はお互いのコンディション良を要し負担な時もございますね。わたくしは挿入以外のホスピタリティを軸としたSEXもお勧めいたします。
 決して公言することの無い夫婦の秘め事。数々の手段やアイテムを用いてクリエイティブでオリジナルな性行為も有りですよね。因みにわたくし共は本番無しのスタイルが多ございます。これ、本番よりかなり官能的ですのよ。




積み重ねた「愛」は互いの波調を
合わせることでさらに結びつく。

 夫婦の性を考える時、突き詰めればそれは波調を合わせること。ハーモニーですよね。性を単なる欲求と片付ければそれだけのことですが営みには全て意味があると考えます。
 夫婦となった初め、そこに真実の愛はまだ無い。愛は長い年月をかけ想いを養い築き合わなければ生み出せない。夫婦の愛を生み出すには互いの波調を合わせることにかかっていると思います。そしてその積み重ねが唯一、夫婦を明日へ繋ぐ真実だと感じております。
 静かに自分の呼吸と相方の呼吸を合わせたことがありますでしょうか?何よりも相方の心の内の喜びや悲しみが見えるようでございます。波調を合わせること、夫婦を繋ぐことへの追求はとても大切なことなのかもしれません。



エト子流「性の壁」乗り越え法



いつかは離れ離れになる運命。
だからこそ今の触れ合いを大切に。

 そして決して忘れてはならないのが、人は必ずこの世を去るということ。人はその時エゴから解放され「もっと〜してあげれば良かった」と後悔すると聞きます。相方の望みを知り、可能な限りできることをすることは結果自分にとってとても大切なことなのだと感じずにはいられません。
 食欲、睡眠と並ぶ人間の性欲。
つい日常に終われておざなりになりがちですが、これを機に夫婦の性活についてディスカッションするべきだと思います。
 最期の日を想像した時、そこから夫婦としての性の在り方が自ずと見えてくるのではないでしょうか。



マルチクリエーター江藤充紀さん