"脳活"はじめませんか?

脳活はじめませんか?


脳活座談会


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これって物忘れ?それとも認知症?どうやって接していけばいいの?

金川(以下=金) 私の場合、スマホで何か検索しようとした時、目に留まったネットニュースを読んで…すると何を検索したかったのか忘れちゃうことがあるんです。
中村(以下=中) それ、私もあります(笑)
梶川(以下=梶) 「忘れている」ということを覚えているのは年相応、認知症とは違います。例えば、朝ごはんを食べて、何を食べたか思い出せないのは年相応の物忘れなんです。それが、食べたこと自体を忘れているなら認知症の物忘れの可能性があります。
 じゃあ誰かと話をして、その話の内容を覚えていないのはアリでも、話したこと自体を忘れるのはマズいということですね。
 その場合は、念のため物忘れ外来の受診をお勧めします。
問可(以下=問) うちは母と同居してて、母は今もバリバリと家事をこなすんですが、最近冷蔵庫を開けっ放しで料理してたりということがあって、本人は自分が開けたと思ってなかったりするんです。いつか施設などにお世話になることがあっても、それまではできるだけ元気に家で過ごしてほしいんですけどね…。
 うちも似たようなことがあるかも。
 物忘れは多かれ少なかれ誰にでもあるものですが、女性の場合、記憶の障害と言うよりも、家事など一度にたくさんのことをこなさなければならないので、それがうまくいかなくて混乱してしまう、ということも多いような気がします。
 それから、若い頃から忘れっぽい人というのもいますよね。この場合、その人のそれまでと比べてどうなのかが重要で、そこに大きな差異があるようなら、やはり一度物忘れ外来の受診をお勧めします。
 そうですね。物忘れが激しいと言って外来に来られる方でも、検査すると問題がなかったりしますからね。
 ただ、身内の方が感じる違和感というのは、かなり信憑性があるというのが私のこれまでの実感です。
 忘れていることを注意すると、認めなかったり無視されることもあります…。
 人にはそれぞれプライドがあり、それを保ってあげることは大切です。注意や否定的な言葉はできるだけ避け、話題を変えたり、その場を上手にスルーしていく方が良いです。お互いに良い表情でいることが大事です。
 親子喧嘩になっちゃいますからね。
 でも、自分がトレーナーということもあり、筋肉を落とさないように筋膜リリースをしてあげたりはしています。
 そうしたことを嫌がらずに受け入れられているのは関係として素晴らしいですね。



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脳活に良い運動ってあるの?食事や睡眠時間は?

 問可さんから筋肉を落とさないようにとのお話がありましたが、確かにいま、「サルコペニア(加齢に伴って生じる骨格筋量と骨格筋力の低下)」や「フレイル(加齢とともに心身の活力が低下した状態)」を予防していこうという動きがあり、そういった活動は大変素晴らしいと思います。また、認知症予防の観点で言うと、運動と認知課題を同時に行う『コグニサイズ』が効果的です。例えばステップ運動をしながら3の倍数で拍手をするなど体と頭を同時に動かすことが認知症予防につながるとされています。
 ゲーム感覚でできる体操みたいなものですか。
 そうです。子どもたちが楽しんでやるようなシンプルなものです。
 それなら私も得意ですね。
 本人が「楽しい!」「気持ちいい!」と思ってやることが何よりも大事です。
 コグニサイズ以外に、食事や睡眠で何か気をつけることはありますか。
 食事はバランス良く摂ることが大事ですが、神経質になり過ぎず楽しんで摂って欲しいですね。認知症も高齢化社会になって増えてきた病気であり、基本的には生活習慣病予防と同じことを心がけてください。
 うちの母は眠れないって不安感を持っていた気がします。
 睡眠はある報告によると6時間以下しか眠っていない、あるいは10時間以上眠っている人は、7時間程度の睡眠時間の人に比べアルツハイマーになる率が高かったそうです。ただしこれは若いうちから心掛けていくことで、年を取ると睡眠時間が短くなるのはむしろ生理的で、メカニズムとして当たり前。高齢者の方にはあまり眠れないことにこだわらないようにして差し上げてください。
 先生がそう言われていたと、母に伝えてあげることにします(笑)
 生活習慣病予防と同じということは、私たち世代も気をつけないといけませんね。
 そうですね。私たち世代だと、適度で何より質の良い睡眠が大事だと思います。
 食事も雑穀米を混ぜたり、塩分をやや控えたりなど、そんなに頑張らない程度なら少しずつ変えていくことができますよね。
 母のためでもありますが、自分や家族のためにも、油は気をつけて使っています。
 40代からは脳の細胞に少しずつシミのようなものが溜まり、それが認知症の発症に繋がると言われていますから、今のうちに生活習慣を改善しておきたいですね。
 女性と男性で何か違いはありますか。
 そもそもコミュニケーションというのは、脳の活性化に非常に重要で、女性は井戸端会議や女子会など会話を楽しむのが得意ですが、それって精神的にもとても良いんです。でも男性はそういうのが苦手な人が多い印象があり、どちらかというと孤立しがちなんです。仕事をリタイヤされてTV漬けの生活になったりすることもありますから、近所・地域とどこかで少しでも接点を持っておくことが大切だと思います。
 うちの病院でも認知症カフェを開いていて毎回近隣から多くの方に参加いただいていますが、最近はそうした地域のコミュニティーも増えていると思うので、どんどん参加していただきたいですよね。男性の参加も少しずつ増えているんですよ。
 認知症カフェで歌声喫茶などを実施していますが、歌には力があるなと実感します。ある程度認知症が進行した方でも、好きな歌が流れると口ずさんだり、表情が和らいだりするんです。その歌を聴いた当時の思い出や感情が、まさに蘇ってくる感じですね。
 音楽を聴くだけでも脳には良さそう。
 そうですね。そして歌にせよ何にせよ、とにかく好きなものを見つけることです。夢中になれるものがあるということは、脳にとってとても大きいのです。



認知症カフェ


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誰でもすぐ実践できる脳活習慣
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適切な運動は、生活習慣病からの認知症発症リスクを下げるだけではなく、脳を含めた全身の血行改善が期待されます。健康な状態と認知症の間にあるグレーゾーンを「MCI」と言いますが、このMCIの状態であれば、適度な運動によって認知機能が改善するということも明らかになっています。


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認知機能を高める効果があるとされる運動は、ウォーキングやジョギング、水中歩行などの有酸素運動。これに、「コグニサイズ」などのデュアルタスク運動を取り入れることで、脳にも体にも適切な負荷をかけてくれます。これまで運動習慣がなかった人も、まずは散歩やストレッチなどから気軽に取り組んでみましょう。


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現在、高齢者施設を近隣の幼稚園・保育園の子どもたちが訪ねて交流を図る取り組みなどが盛んに行われています。実は人とコミュニケーションを取ることは脳を元気にすることがわかっていて、様々な世代との交流は、より脳の活性化に寄与します。食事中の家族との会話、地域イベントへの参加など、積極的なコミュニケーションを図りましょう。


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誰かと会話(コミュニケーション)をしている時、人は自然に、相手の話を聞いて理解したり、考えて言葉を発したりしています。その際、脳の前頭葉や海馬はフル活動していて、刺激を受け続けている状態なのです。だから、脳に良い刺激となる人とのコミュニケーションを生活の中に取り入れることで、高齢者の方でも前頭葉が活性化していきます。


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料理は、献立を考えることから始まり、材料の準備、作業の段取りなど総合的に脳を使います。逆に、女性の方の認知症の場合、まず料理が億劫になる傾向があります。可能な限り、これまでと同じように料理することを心がけましょう。また、お化粧をしたり髪の毛をセットしたりすることも、料理同様、脳への刺激になり、加えて精神的にも良い効果があらわれます。


脳のココにいい!_03

五感すべてを刺激するうえ、様々なプロセスを頭の中に構築、しかも手先を使う作業の多い料理は脳活に最適。また完成品が目に見えるという達成感や誰かと食事をする楽しみもあります。お化粧など身なりに気をつかうことも脳活には大切。自分に自信がもてることで外出(=コミュニケーション)の機会も増えてきます。


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適度な昼寝が午後からの仕事や勉強の効率を高めることは広く知られるようになってきましたが、それは認知症予防にも当てはまります。睡眠効率の低下を防ぐために有効なのが、午後の決まった時間の60分以内の昼寝。ただし、それ以上の昼寝は逆に認知症の発症リスクを高めてしまうので注意しましょう。


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睡眠中の脳の活動の1つに、老廃物の排出があります。睡眠不足などで脳の循環機能が低下すると、不要な物質が蓄積しやすくなるとされています。これを防ぐために60分以内の適度な昼寝を心がけ、夜の快眠につなげましょう。






脳を活性化する食べ方・つくり方

脳を刺激するように、ゆっくりとよく噛んで食べよう。

 1回の食事の咀嚼回数と食事時間を調べた報告によると、戦前の食事は1420回噛み、約22分の食事時間だったのに対し、現代の食事は620回で約11分と、噛む回数、食事時間とも半分に減っています。軟らかい食べ物が好まれるようになった現代では、ゆっくりとよく噛んで食べることの大切さを忘れがちです。よく噛んで食べることの良い点は、噛むことで刺激が歯根膜から脳へ伝わり、アセチルコリン(学習能力に深く関わる伝達物質)を増やします。この伝達物質の量が減ると認知症を引き起こす原因になると考えられています。ただし、「よく噛む」ことと、「強く噛む」ことは別物です。




脳を活性化させるために、自分にあった
「自然に噛む回数が増える」料理や食材を選びましょう。


低栄養を予防しよう


噛む回数が増える調理ポイント


脳活レシピ_オリジナルサバカレー

カレーライスは、1品で「主食+主菜+副菜」の内容が揃う料理です。
また、スパイスには食欲増進作用もあります。


脳活レシピ