Vol.36 株式会社田頭茶店 代表取締役/
イメージファーム株式会社 代表取締役 CEO 吉長 邑彩さん

Vol.36_吉長邑彩さん
株式会社田頭茶店 代表取締役/
イメージファーム株式会社 代表取締役 CEO
吉長 邑彩さん


【プロフィール】
呉市出身。横浜フェリス女学院大学卒。1930年創業の「田頭茶店」の3代目。2008年、家業を継いだ翌年には深蒸し茶のティーバッグを開発し、ブランド展開。2010年、「田頭茶舗」の1号店となる「広島金座街店」をオープン。2011年、アメリカ・シアトルに「Yui Tea LLC」を設立し、クリスマス期間限定で高級ショッピングモール「UniversityVillage」に出店。その後も広島・岡山・山口・福岡に日本茶カフェをオープンさせる。また経営者でありながら、“身体に優しい”をコンセプトに今なお自身がメニュー開発を続けている。若さの秘訣は毎朝自宅で行うヨガ。そして健康の基本は「お茶」。前向きな性格と決断力は自他共に認めるところで、洋服は気に入れば即決で何着も購入するなど、ショッピングにも時間をかけないそう。旅行が好きで、家族で旅行に行きたいと思うものの、ここ数年休みは無し。とはいえ「働いていないと不安」と吉長さんは笑う。



日本茶を、その文化を世界に広めたい。
本当に100%願えば、思いは必ず叶う。



どん底から人気ブランドへ

 老舗茶店の3代目として日本茶カフェなどを展開、業績を伸ばし続ける吉長邑彩さん。しかしその半生は波乱万丈です。親族の事業倒産や離婚、さらに潰瘍性大腸炎という難病に冒され、本人曰く「谷あり谷あり谷ありの人生」だった30代。40歳で再婚し、ご主人をサポートする生活を続けていましたが、ある時父親が倒れます。そこで発覚したのは、茶店が抱えていた多額の負債、そして債務者にある自分の名前。辛い思いをしながらここまで頑張ってきたのに…と目の前が真っ暗になったそう。それでも歴史ある家業を立て直そうと、そこから一念発起し、茶店の代表に就任。当時を振り返り、「経理(数字)がわからなかったから続けられた」と笑います。
 需要の減少、特に広島は全国的に見ても緑茶を飲まない県であるという逆風の中、ならば急須を使わなくても飲める商品を県外へ売り込んでみよう!と前向きに発想転換できるのが、まさに彼女の才。全国の産地を回り、厳選茶葉をブレンドしたティーバッグを開発、そこから県外のスーパーへ飛び込み、朝から晩まで1人で試飲マネキンとして働く日々が続きました。その頃、ティーバッグが著名な経済評論家のブログで紹介され、これを機に評判が一気に広まることに。これが後のアメリカ進出のきっかけにもなりました。



企業のトップとして今思うこと

 「一服する」という言葉があるように、お茶の起源は薬です。身体に良い効用がたくさんあるお茶の魅力を、日本のみならず世界に広めることが今後の展望。「日本茶や日本茶の文化を体験できるテーマパーク、スターバックスのような日本茶カフェを作りたい。波乱万丈の人生でしたが、1%の迷いもなく、本当に心の底から100%願ったことは必ず叶う、というのが私の信条です」と吉長さん。また、負債の返済のため無我夢中で働いてきた在りし日と今を重ね、大きな心情の変化も。「今はたくさんのスタッフ達のおかげで会社は成り立っています。だからそんなスタッフ達のために私は働いているし、頑張ろうと思えるんです」。例えば夜お風呂に入る時、まだ営業時間中の店舗があれば、必ず申し訳ない気持ちでスタッフのことを考えてしまうそう。「働いていないと不安」と話す言葉の裏には「休むとみんなに悪い」という気持ちが潜んでいるのです。だから今日も彼女はバリバリ働きます。「孫と旅行に行きたい」と明るく笑いながら。





田頭茶舗-広島金座街店

5月末には東京恵比寿ガーデンプレイスに新店もオープンし、現在、日本茶カフェ11店舗とお餅処「ゆい庵」、茶道具の店を展開中。写真は「田頭茶舗 広島金座街店」。



Yuicha(結茶)

自身の名前から名付けた「Yuicha(結茶)」をブランド化。日本各地で厳選した茶葉を独自の深蒸し製法と高温火入れでブレンドし、飲みやすいティーバッグにしています。